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青森県における男女共同参画社会の実現を目指して活動する特定非営利活動法人です。

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   会報 第27号  2009年 5月     無断転載および印刷はご遠慮ください
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ジェンダー・カフェ
〜月刊情報誌「We learn」に当研究所の企画ページ掲載〜

 
  財団法人 日本女性学習財団が男女共同参画社会の形成に資する女性の生涯学習雑誌として毎月発行している「We learn」に「ジェンダー・カフェ」のタイトルで当研究所の2ページの企画が掲載になりました。

基本法ができて10年 社会は変わった!?       2009年3月号掲載

 13年ほど前、自治体の男女共同参画の担当者として、先進国の状況を視察するために北欧諸国を訪れたことがあります。
行政機関などで受けた説明よりも町を歩いたときのことが強烈な印象として残っています。それは、子ども連れのお父さんがたくさん歩いていたことです。ベビーカーを押して歩く男性も多くみかけました。スーパーマーケットに行くと子ども連れの男性の買い物客が多いのにもびっくりしました。もちろん男性ひとりの買い物姿も多かったのですが。

子連れの買い物

 さらに、夕方保育園に子どもを迎えに行くお父さんの多さには驚きを超えて感動すら覚えました。当然、男性用トイレにはおむつ交換用のベビーベットが備え付けられていました。当時、日本で見かける光景とのあまりの違いにショックを受けたものです。
 男女がともに当たり前のように家事・育児をしている光景を目の当たりにし、日本はいつになったらこうなるのかしら・・・と深く考えさせられたことを思い出します。
 その後、日本でも1999年に「男女共同参画社会基本法」が制定され、社会は確実に変わってきています。男女共同参画という大きな流れの中で、今、私の身近には「女は家事・育児だけすればよい」と公言する男性はいなくなり、建前としては「男女が一緒に社会をつくっていく」ということに理解を示す(ふり?)ようになってきました。スーパーに買い物に行ったときなども、男性がパートナーや子どもと一緒に、またはひとりで買い物している姿を多く見かけるようになりました。統計上の男性の家事・育児参加はいまひとつですが、男性の買い物姿は普通になりました。意識が変わり行動が変わってきて、男女共同参画社会へ向けて少しずつですが着実に前進していると実感しています。

 
”あい””ゆう”データトーク
男女平等は進んでいるか?
あい: 平成19年に内閣府が行った『男女共同参画社会に関する世論調査』の結果をみると、社会全体で男女の地位が平等だと感じている人は20.9%で、12年前の平成7年に比べてたった1.4ポイントしか増えていないんだよ。〈男性の方が優遇されている〉と感じている人が73.2%もいて、まだまだ男女平等というにはほど遠い状況だね。
ゆう: 社会の分野による違いも大きいよ。例えば学校教育では、〈平等〉が63.4%と多数を占めているけど、その他の分野では〈男性優遇〉が多数を占めている。社会通念・しきたりでは〈男性優遇〉が72.3%で圧倒的に多い。
あい: 男女による違いも目立つね。一番差が大きいのは法律・制度で、男性では50%が〈平等〉と答えているのに対して女性は30.9%で19ポイントも開きがある。全ての分野で、女性の方が〈男性優遇〉と答えている人が多く、女性の不平等感が強いね。
ゆう: この間の男女共同参画社会に向けての取組が進む中で、これまでは、当たり前・仕方がないと思われてきた性別によるさまざまな差別を、不当なものだと認識する人が増えていること、とくに女性の意識が変化してきていることが背景にあるんじゃないかな。そのようにみれば、国民の男女平等意識が進んできていることを示すデータと考えてもいいと思うよ。
あい この結果を悲観的に捉えるのではなく、むしろこれまでの成果の表れと受け止めて、これからの取組みを着実に進めていくことが大切だね。
     表1:社会全体における男女の地位の平等感                        単位:%
該当者数 男性の方が非常に優遇されている どちらかといえば男性の方が優遇されている 平等 わからない どちらかといえば女性の方が優遇されている 女性の方が非常に優遇されている
2007年 3,118人 11.4 61.8 20.9 1.7 3.8 0.4
2004年 3,502人 12.7 61.2 20.1 2.2 3.6 0.2
2002年 3,561人 12.9 62.1 19.5 2.6 2.4 0.4
2000年 3,378人 13.1 63.6 17.7 2.8 2.6 0.1
1995年 3,459人 12.3 63.3 19.5 2.3 2.5 0.1
2007年 女性 1,706人 14.2 64.7 15.9 2.1 2.9 0.1
男性 1,412人 7.9 58.3 27.0 1.2 4.8 0.8

表2:各分野の男女の地位の平等感(学校教育/社会通念・慣習・しきたり/法律・制度)
単位:%

男性の方が非常に優遇されている どちらかといえば男性の方が優遇されている 平等 わからない どちらかといえば女性の方が優遇されている 女性の方が非常に優遇されている
学校教育 全体 2.3 12.8 63.4 17.2 3.8 0.4
女性 2.9 14.1 61.0 18.5 3.3 0.2
男性 1.5 11.3 66.3 15.7 4.5 0.7
社会通念・慣習・しきたり 全体 20.0 52.3 20.2 4.4 2.7 0.5
女性 24.4 51.9 16.2 5.2 2.1 0.2
男性 14.7 52.7 24.9 3.5 3.4 0.8
法律・制度   全体 10.6 35.8 39.5 9.0 4.4 0.7
女性 14.3  40.7  30.9   11.1 2.6  0.3 
男性 6.0  29.7  50.0  6.5  6.5  1.2 
 「男女共同参画社会に関する世論調査」(内閣府 2007年)


スポット れ・き・し
女性政策から男女共同参画政策へ
 現在の男女共同参画社会への取組は、1975年の国際女性(婦人)年を契機に、国連を中心とする世界的な運動から始まりました。女性差別的な社会(=男性中心・男性支配社会)の仕組みや意識によって生じている様々な女性問題を解決するために、女性の意識改革をはじめ、社会的地位の向上、社会参加の促進、職場における女性差別の解消など女性を対象にした女性政策が進められてきました。それらの成果として女性たちの男女平等や自立意識が高まり、職業を始めとする社会進出が進みました。
 取組が進む中で、女性が変わるだけでは根本的な問題は解決できないこと、および女性に比べて優位な立場にあるとみられていた男性も深刻な問題を抱えていることが明らかになり、男性の働き方や生き方を変えることの必要性が認識されるようになりました。
  こうした経緯を経て、これまでの男女の関係のあり方、男女の生き方の変更をめざす『男女共同参画社会基本法』が1999年6月23日に成立・公布されました。
 
 
「男女共同参画基本法」ができて10年   社会は変わった!?
会員  須藤 千和子
 男女共同参画基本法が公布・施行されてから10年になった。「男女共同参画社会基本法」第5条では「政策等の立案及び決定への共同参画」が強く主張されながらも、最終決定権を持つ男性や男性の顔色をうかがう女性たちによってコントロールされエンパワーメントできない多くの女性がいる現状がある。
  女性に門戸開放したといいながら、実際はこれまでの男社会の土俵に女性を上げただけ(上げるための創意工夫などほとんどないまま)だから、力があって土俵に上がった女性は歯を食いしばって男性以上に頑張っている。一方、男性は家庭をしっかり守る女性を従え、仕事に専念して競争社会を乗り切っている現状がある。これは学歴も力もチャンスもあるエリート男性たち。こういった男性に伍して働くためには女性が家庭を作り子育てもとに時間を割く余裕がないのは当然であろう。しかし、これはほんの一部の人たちでありそこでは経済力を駆使しながらそれなりの精神的な豊かさも享受できるであろう。
  今、最も悲惨なのはいわゆるワーキングプアとよばれる非正規社員など時給で生活費を確保している人や夫婦で懸命に働きやっと生活を維持している人たち。これらの人が統計的にどれぐらいの割合を占めるのか?この人たちにとっては今推進されているワークライフバランスなど思いも及ばない。劣悪な労働環境の中で家庭を維持し子育てを必死の思いで頑張っている。自然豊かな青森県にありながら、地産地消の豊かな食生活、自然を思い切り体感させながらの子育てなどが低賃金、長時間労働等によって実現できていない。
 女性も男性も自分らしく、互いにサポートしあいながら家庭を維持し、未来を託す子ども達を健やかに大切に育てたい。そのための男女共同参画社会の実現だと考えている。
 私が住んでいる小さな町役場の女性職員から「お茶の準備、朝の机の清掃を男女でするようになった」、男性職員から「 課長や課長補佐に女性が抜擢されるが、決断が必要な時は逃げ腰で男性の陰に隠れようとし、頼りにならない」といった声が聞かれながらも、少しずつ役場が変わってきているということが感じられる。
 男女共同参画への取り組みは、まだまだ行政主導であることは否定できないが、着実に女性は社会に進出し、男性は家庭の運営に進出してきた。これからも形はどうであれ進んでいくであろう。私もその実現のために住んでいる地域で奮闘している日々である。
 
「男女共同参画基本法」ができて10年   社会は変わった!?
会員  田中 弘子
 私は、高校時代、良妻賢母をかかげた学校方針が嫌いで反発ばかりしていた。
 大学へ入って男女が対等に学びながら、議論できる時代を体験した。
 女性の就職は、まだ狭き門で限られた職業しかなかった団塊の世代である。
 就職した福祉部門の職場は、女性は庶務やお茶くみをするのがあたりまえの中で、男女が対等に仕事をすることができる唯一の職場であった。
 大学と同じように男女が対等に問題意識を育てながら議論できる恵まれた環境であったが、女性の数は圧倒的に少なかった。もちろん育児保障もなく、対等な職場でありながら女性という理由でお茶くみもあたりまえではあったが、男女が対等に仕事をすることによって、同僚男性の意識が変わり始めた。が、同僚女性の意識がなかなか変わらなかった。
 これは、家族関係でも同様であった。特に姑の意識を変えるのは至難の業。女性が働くということにさえ、心を閉ざすのである。子どもが大学入学で家を離れてから、はじめて姑に「私が働くということ」は、ありのままの自分を生きられる社会であるからという演説を 2回、ぶった。それ以来、姑の口からは「女性が働くということ」への否定的な言葉はなくなった。基本法ができるまでは、職場も家族でも個人としての戦い、個人の資質の問題であったと思う。基本法ができてからは、社会問題として受容できる人間が男女の区別なく、ゆっくりではあるが多くなってきたことは実感できる。しかし、社会問題として捉えていく道程は、まだまだ険しい。
 多様性社会への実現という10年・20年先のミッションに乏しいから、立ち止まったり、後退したりがここ数年続いている。再度、基本法ができたことは、社会的な価値のあるものという認識をしていかなければと思うこの頃である。





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